医師以外の進路2

大学の医学部を卒業しながら医師にならない、医師の道を進まない、というのは医療の世界に明るくない一般の私達には理解できないことでしょう。喩えて言うなら警察学校を卒業して警官にならない、或いは俳優養成学校を卒業して俳優にならないのと同じような感じでしょうか。では医学部を卒業して医師にならないとして、では実際に医師以外の別の道としてどういった就職先があるのでしょう。ここでは医学部卒業生の医師以外の道としてどういったものがあるのかを紹介していきます。その代表的なものを以下に挙げてみます。
①厚生労働省
厚生労働省はご存知の通り日本の医療、保健、衛生等を管轄する国家の省庁です。厚生労働省で働く場合、一般には一年間医師として研修を行い、それを済ませた後に厚生労働省に入省することになります。病院ではなく厚生労働省に勤務することは、言うまでも無くその仕事は医師として患者の治療や医療行為にあたったり、或いは医学研究者として病気や医療に関する研究に従事したりするというよりも、医師の資格や医学知識を持った行政官としての仕事をすることになります。厚生労働省で働くと言うことは、言い換えれば医療を専門とする行政官であり、官僚になることを意味します。先に書いたように厚生労働省は医療等を管轄する国の重要な機関ですが、当然ながらそこで働く人達には相応の知識や技術を持っている人が必要なわけであり、医学部卒業者はそうしたポストに適任だとも言えます。また厚生労働省には、医師以外にも看護士、看護婦、薬剤師等の専門知識を持った者が勤務していて、そうした人々は技官と呼ばれています。また技官が着任する厚生労働省内の局長級ポストもいくつかあり、それぞれの分野の出世頭とも言える人物がこれらのポストを得ることになります。
②産業医
皆さんは産業医と言う言葉を聞いたことがありますか。この産業医は最近になってその必要性が強く意識されるようになり、注目を集めるようになった職業です。この産業医の主な仕事としては企業に勤めるサラリーマン、OLの健康状態に関してチェックを行うことです。最近は就労現場の第一線に立つワーカー達への健康管理、健康の維持への必要性が叫ばれ、注目されています。産業医の仕事内容としては、従来は主に工場で働く労働者の健康管理、或いは作業における労働災害の防止等がその目的とされていましたが、近年は職場におけるストレス、メンタル面での健康管理が注目されるようになり、産業医のフォローする内容としても従業員の精神面の健康管理、ケアにまでその担当領域が広がっています。産業医の仕事の内容は従業員に対する心理的なケアのみならず、従業員の健康診断や予防医学にも関連しています。産業医の行うこうした仕事は将来にわたってますます注目され、発展していくと考えられます。国もそうした必要性を認め、現に1000人以上の従業員を抱える企業、或いは有害物等を取り扱う業種で常に500人以上の従業員がその関連作業に関わっているという企業では、常勤の産業医を設置することを義務付け、作業の安全性のみならず、従業員の心の健康に関して細心の注意を払うように訴えています。

大学の医学部を卒業した場合で、医師になる以外の進路の選択肢として上に厚生労働省で勤務するケース、産業医になるケースを紹介しましたが、上の二つはあくまで一例に過ぎません。この二つ以外にも選択肢があるのです。大学の医学部を卒業して、尚且つ医師にならないのであれば、当然所謂医療業界と呼ばれる世界に就職することになりますが、その主な就職先としては、保健所、福祉介護関係、或いは海外の関係機関等があります。また医療業界の外に進むという道もあって、そのケースとしては、コンサルタント、製薬企業、医療保険関係、生命保険会社、シンクタンク、医療関係のマスコミ、バイオベンチャー等があって、そうした業界、企業でも、医学部の卒業生が活躍しています。現在も大学医学部卒業となると、病院で働く医師になる、というのが第一の道であり、進路の選択として最も多いケースではありますが、医師になる以外にもこうした道があることを、医師になりたい人もそうでない人も理解しておくとよいでしょう。

check

マツダ
http://www.mazda.co.jp/

最終更新日:2015/2/19